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クライミングとボルダリングの違いとは?

クライミング


オリンピックの種目になったこともあり、スポーツクライミングや、ボルダリングという言葉を耳にするタイミングが増えたと思います。

一般の方から見たらカラフルな石(ホールド)を付けた壁を登っているだけなのに何が違うのかわかりませんよね。

クライミングとボルダリングの違いを分かりやすく説明します。

記事の後半はそもそもなんで呼び方が分かれたのか歴史的背景からうんちくを並べてみたいと思います。

クライミングとボルダリングの違い①安全確保の違い

ボルダリングは最もシンプルなクライミングスタイル

ボルダリングの安全確保は床にマットを敷いて終わりです。

めっちゃシンプルですよね。

スポーツクライミングはロープを使う

スポーツクライミングの壁は目安として7m~20m以上の壁を登ります。

そんな高さから落ちたらマット敷いただけでは絶対ケガしますよね。

だからロープを使ってクライマーの安全を守るわけです。

クライミングとボルダリングの違いはどうやって安全に登るか?

今更まとめる必要もありませんが、既に書いたことが全てと言えますがもう少し違いがあるので説明します。

クライミングとボルダリングの違い② 対象の呼び名

ボルダリングの語源

ボルダリングとは聞きなれない言葉ですよね。

語源は英語のボルダーです。意味は”石ころ”です。

つまりボルダーで登る対象というのは、巨大な単独で転がっている岩を指します。

因みに、ボルダリングしている人はボルダラーと呼んだりします。

クライミングの語源

クライミングとはクライムからきているので、登山を意味します。

なので、ボルダーと比較すると、クライミングはもっと大きなサイズの岩を指します。

感覚的には屏風状の岩壁(がんぺき)や、岩塔(がんとう)、岩山(いわやま)がクライミングの対象になります。

ちなみに、登山を英語にすると”mountain climbing”(マウンテンクライミング)

だからクライミングは”rock climbing”(ロッククライミング)と呼ぶ方が正しくなります。

クライミングとボルダリングの違い②のおさらい

クライミングとボルダリングの違い②では、登る対象の説明をしましたが、クライミングとボルダリングは岩の規模が違うことが分かったと思います。

クライミングは大きな対象、ボルダリング小さな対象なのです。

ではなぜ同じ岩登りなのに呼び方を変えて、カテゴリー分けされたのか歴史的背景から説明したいと思います。

私が今まで読んできた本による主観なので、反論ある方はご自身のブログでお願いしますね!

クライミングとボルダリングの歴史

クライミングとボルダリングの違い②で少し触れましたが、クライミングだけだと登山も意味します。

クライミングとは登山から派生しました。

登山からクライミングが派生した

登山の歴史は、より高い山も追い求めることから始まりました。

登山家の多くが未踏の山の第1登頂の栄誉を求めて世界中の山を登りまくりました。

現代では、ヒマラヤやアラスカなどの奥地や、規制された山以外はほとんど登られているのではないかと思います。

未踏の山が無くなると、より難しいルートを登ることで差別化をしていきました。

難しいルートでは、些細なミスで落下してしまいます。

クライマーを確保するためにロープが多用されるようになりました。

また、垂直の壁を登るための道具も発展していきました。

目的はあくまで登山なので、登るためにはどんな道具でも使いました。

手で登るときもあれば、くさびを岩に打ち込んで縄梯子をかけて登ったり。

登山の垂直のパートだけを練習するようになり

大きな転換点を迎えます

クライミングから、エイドクライミングとフリークライミングが分離

登山を達成する目的から、より難しい壁を登る事へと目的が変わったのがロッククライミングといえるでしょう。

道具を使い岩の弱点(突起や窪み、穴や割れ目)を突くクライミングをエイドクライミング

一切道具を使わないで登るのはフリークライミングです。

フリークライミングのフリーとは道具からフリー(使わないという選択肢を取る)になるという意味です。無料とは意味が異なります。

フリークライミングが登られ始めた頃は今のようにカラビナを付けるボルトを埋め込んだり、カムなどのプロテクションもありませんでした。

だから、ハーケン(英語ではピトン)と呼ばれるくさびを岩の割れ目に打ち込んで安全を確保していました。だから世界中を見渡しても5.8や、5.9くらいが最高グレードだったようです。

また、登山がもとになっているので大きな岩壁を登ることが目的でした。

そのころにボルダーで自らのフィジカルの限界を楽しむ人たちが現れました。

ボルダリングの誕生です。

ボルダリングをやっているのはおかしな奴

登山を目的としているのに数メートルの石ころを必死に登るなんてダサい。

そんな意見もあったようです。

初期ボルダラーで有名なのは ジョンギルです。

元体操選手の先生だったようです。当時5.10が最高グレードとされていた時代に5.12を登っていたので脅威としか言いようがありません。

5.12のルートはスティンブルという岩塔です。

高さもありますが、当時(1960年台)はボルダリングマットも無く、シューズも登山靴だったようです。

脅威としか言いようがありません。

ジョンギルの紹介動画があったので貼っておきます。

因みに初めてクライマーでチョークを使った人たちの一人です。

クライミングとボルダリングとの違い

長いルートを登りきる事を目的としたのがクライミング

難しさを突破する愉しさを追求したのがボルダリングといえるでしょう。

ただし、グレードがどんどん難しくなっていく現在では、どちらも難しさやムーブのアイデアなど、どちらが難しいとは言い切れない状態になっています。

クライミングを楽しむ私としてはクライミングもボルダリングもロッククライミングです。

深く考えず、岩のあるがままを楽しんでいこうとおもいます。