シロアリ荘の柱を入れ替える
シロアリの被害にあうと柱がボロボロになります。
多少食われた程度であれば柱のすぐ横や、両側に柱を追加して補強できますが、根こそぎやられてしまった場合は交換しています。
注意!柱の交換について説明しますが、強度などは一切保証できませんので自己責任でお願いします。
柱交換のコンセプト
ずばり、元の状態に戻す。
と言いつつも、柱を丸ごと交換する場合もあれば、部分的に交換する場合もありますので、現状が宙(ちゅう)に浮いている柱を基礎としっかり固定してやるという目的で交換しています。
柱交換の手順イメージ
柱交換のロードマップを書くと下の図のようになり、結構簡単そうですが仕事終わりにやっていると何日もかかりました。
しかもこのシロアリハウスは最終的に10本の柱を入れ替えていたのでめちゃくちゃ時間がかかりました。

ここから先は柱を交換する前提で進めていきますね。

柱をカットする前に周りを支える

まずは柱をカットする前に、ジャッキなどを使ってカットする柱の周りを持ち上げてやります。
上の写真の赤丸のような感じで柱の両脇にジャッキを入れています。ジャッキに乗っている部材はツーバイフォーですが、買ってきたままではたわんで仕事をしてくれないので、40㎜角くらいの部材でさらに補強してツーバイフォーがたわまないようにしています。
持ち上げるといっても、いくつもジャッキ2本で持ち上げても、1~2㎜程度しか持ちあがらなかった気がします。
そもそも柱単体で天井の部材を固定しているわけではなく、柱と壁が釘でつながっていたりする(下の写真参照)ので、ジャッキで持ち上げたからと言って簡単に持ち上がる物ではありません。やたら持ち上げると外壁にひびが入る恐れもあるでしょう。

柱をカットするといっても、簡単にのこぎりが入る場所もあれば、柱のすぐ裏が壁があることでのこぎりが入らず、カットに苦労することも多いです。
そんな壁のせいでのこぎりが入らない場合は、のこぎりの先端をグラインダーでカットして刃が先端に来るようにします。
一般的に残りの先端には歯がつけていない場合が多いので(図1)、のこぎりの先端をグラインダーでカットすることで刃が先端にある状態にすると、壁際であってもカットすることができます(図2)。

図1 壁際で柱がカットできないのこぎり

図2 壁際でも柱がカットできるのこぎり
もっとも、文明の利器であるマルチカットツールを使えば困らないのですが。。。

カットしただけでは終わらない柱の撤去
柱は、他の構造材と釘で固定されているので、カットしただけでは撤去できない場合がほとんどです。
下の写真は柱を撤去した後の様子ですが、四方から釘が刺さっていたことが分かります。

柱が抜けない時はナタで柱を割ってしまいます。
下の動画の1分くらいのところで玄翁(金づち)とナタで柱を割っています。
柱を撤去したら、基礎も確認してみましょう
大抵シロアリのせいでボロボロです。
つまり部分的に交換することになります。
下の写真はもともと基礎が入っていたところですが、シロアリでボロボロになってしまっていました。

部分的に基礎を入れ替えた動画になります。
適当に入れるのではなく、しっかり基礎同士が動かないように組み合うように加工を入れています。
かなり手間のかかる作業でした。

撤去して新しく柱を入れる

上の写真の手前に見える白い柱は、カットした柱の代わりに屋根を支える角材です。
また、柱の脇に見える鋼製束もジャッキアップのために使っています。ただし、鋼製束は横方向の剛性が低いので左右に倒れやすいので要注意です。
柱を入れる際は、当然ですが柱の真下の基礎にほぞ加工などが必要になります。
加工をするためには、柱の真下の位置を見つける必要があります。真下の位置を間違えてしまうと柱が斜めになってしまうので危険です。
柱の真下を見つけるためには、下げ振りという道具を使います。

下げ振りの本体をを柱の切断した場所に打ち込み、重りを下にぶら下げます。
こうすることにより、柱の真下を調べることができ、ほぞ穴加工の場所を決めることができます。
下の写真は、下げ振りを使い横方向と縦方向の位置を見つけて線を引いています。

新しく入れた木材には防蟻剤を塗る
シロアリ用の薬剤散布はこちらの記事で書きましたが、部分的に塗る場合は缶から出してそのまま塗れるタイプの方が使い勝手が良いです。
私はシロアリスーパーというものを使っています。
木材に色がつくので、床下で隠れる部分にしか塗りません。
柱を入れた後は柱を他の構造材と固定することになります。
そのあたりは別の記事で説明したいと思います。
