撤去した柱の代わりに新しい柱を入れる【シロアリハウス】
シロアリに食べられて撤去した柱。
柱を抜いたら新しい柱を入れる必要があるのでその方法について説明します。
あくまで、ボロボロの柱よりマシな状態に戻すコンセプトなので、保証できるものでありません。
新しい柱は簡単に入らない
新しい柱を抜いた柱と同じ加工をしたら元のように組み立てられるかというとそういうわけではありません。
私も、新しい柱の両端をほぞ加工すれば良いものだと思っていましたが、実際入れようとすると両端がほぞ穴に入れる凸形状なので、長すぎて入りません。
そもそも家を建てるときは下から組み立てていきますので、リフォームのように決まった間にピッタリ収まるように柱を入れるためには、新築と同じ方法ではうまくいくわけがないのです。
ただし、基礎側だけカットして入れ替える場合はほぞが下側にしかないので、先にほぞを差し込めばどうにか入ります。
問題は柱を1本入れ替えるときです。
SE工法を参考にほぞの代わりに鉄製のアングルを活用してみた
ほぞ組は日本の木造建築の代表的な工法の一つだと思いますが、ほぞ組に頼らない工法をいろいろ調べてみたところ、金具を使いほぞの代わりにする工法(SE工法)があることを知りました。
少しSE工法の説明をしますが、従来からあるほぞを使った軸組工法は、木に凹みを付けてその凹みに合うように木材を加工して、組み立てる工法です。
この軸組工法には課題があって、木材が集まる場所では凹みの数が増えるので木材の断面面積が小さくなってしまい、強度が低下することが知られていました。
特に2階がある場合、1階と2階を通して使う通し柱は部分的に断面が減り、地震の時には、断面欠損が多いところから折れてしまうという指摘があります。特に古い家。
これに対して、ほぞの代わりに金具を使うSE工法は、断面欠損が無くなるので。強度面でメリットがあるといわれています。
参考にSE工法の動画をのせておきます。
この動画を見ると、柱は、基礎から立ち上がった金具と、柱に掘った溝を組み合わせて、横からピンで止めていることが分かります。
同じようなことをホームセンターで売っているアングルを使ってやってみることにしました。
アングルに穴を開けて切断して塗装
アングルにあけた穴には面取りを入れてコースレッドが飛び出さないようにします。
アングルの縦の壁に穴が二つ空いていますがこの穴は入れる柱と一緒に穴あけをしています。
別々に穴を開けると穴の位置とボルトの位置が合わなくなるので柱を入れる前に、アングルと柱を仮固定した状態でボルトの通る穴を開けています。

柱を入れる
柱を入れてボルトで固定したところ

柱の壁側には、座金付きのナットを入れてあり、ボルトを通して固定できるようにしています。
ボルト側には木工用の厚座を使用しております。これはボルトを締めるとどんどん木が潰れてしまうので、受ける面積を増やすためです。
薄い座を使うと、座が変形してしまうので厚座が良いでしょう。