ボロ戸建ての耐震性をを少しでも上げたい
ボロ戸建てで気になるのは耐震性。
旧耐震の建物は、最新の木造建築と比較するといろいろな違いがあります。
今回は基礎と柱を固定するホールダウンを入れた経験をブログ記事にしたいと思います。
あくまで少しでも家を丈夫にするために行っていますが、安全を保障するものではありませんのでご注意ください。
耐震性を高めるために柱を固定する理由
大きな地震が発生すると古い建物が壊れるというニュースをよく見ます。
ではなぜ最近の木造建築は壊れないのに、古い建物は壊れてしまうかといえば、構造が強化されているからです。
大きな地震の後のニュース映像を見ると1階が2階に押しつぶされるという壊れ方をしています。
個の壊れ方の原因の一つが柱が基礎から抜けてしまうことがあります。
下から突き上げられるような地震が起こると、柱と基礎、柱と桁や梁が抜けてしまいその結果、2階の重量を支えることができず、1階が押しつぶされてしまいます。
最近の木造建築では、コンクリートを打つタイミングでホールダウン用の埋め込みボルトを入れます。
その後柱を立てるタイミングで埋め込んだボルトにホールダウン金物で柱と基礎を固定します。
ホールダウン金物設置に使用した道具一覧
作業に入る前にどんな道具が必要になるかまとめましたので参考にしてみてください。
一から道具をそろえるのも結構大変かもしれませんね。。。
Amazonでもいいかもしれませんが、ウェブショップではセールをやっているときもあるのでアウンワークスも参考にしてみてください。
- ホールダウン金物一式
- M16寸切りボルト
- M16ボルト
- ケミカルアンカー
- インパクトドライバー
- ハンマードリル
- グラインダー
- モンキーレンチ
- グラインダー替え刃
- ドリルΦ18(木工用)
- コンクリートドリルΦ18長さ250㎜以上
- ブラシ
- □ビット
- M16用ボックスレンチ24㎜

埋め込みボルトが無い基礎でホールダウン金物を取り付ける方法
旧耐震の住宅では、基礎と柱を直接固定する構造になっていませんのでボルトがありません。
そのため、コンクリートにボルトを立てる必要があります。
なんだか高額な部品代になりそうな気がしてしまいますが、1箇所当たりの材料費は1500円以下になるはずです。
土台(木部)に穴を開ける
ホールダウン金物はM16のボルトを使うので、木部にあける穴は直径18㎜の木工用のドリルで穴を開けます。
木工用のドリルは、コンクリートの基礎に当たると刃がダメになるので、ドリルに目印を付けておき、刃が当たることを防ぎましょう。
ホールダウン金物は、柱から30~35㎜くらい離れたところがボルト中心になりますので、実際のホールダウン金物を見ながら、開ける穴の中心位置を見極めてください。
また、斜めに穴を開けると、ボルトがハールダウン金物に入らなくなるので、直角に穴を開けましょう。
コンクリートに穴を開ける
木部に穴が開いたら、今度はコンクリート用のドリルで基礎に穴を開けます。
コンクリートに穴を開けるときにはハンマードリルがオススメです。
ハンマードリルは回転しながら進行方向に打撃を与えることができるので、コンクリートや石に穴を開けることができます。
ドリルも専用のものを使い、SDSという規格のドリルを使います。ちょうどドリルでつかむところに溝が掘ってあるのでみれはすぐにわかります。
コンクリートにあけるドリルも直径18㎜を使用します。
ドリルの長さは、コンクリートにあける穴の深さを150㎜以上にしたいので、250㎜以上は必要になります。
これは、土台の木部が大体100㎜程度あり、木部にあけた穴から、コンクリートの穴を開けるので、ドリルの長さから100㎜引いた長さがコンクリートにあける穴の深さになります。
コンクリートにあけた穴を掃除する
コンクリートにボルトを埋め込む際には、ケミカルアンカーという接着剤を用いる方法を採用するのですが、しっかりくっつくためには、穴の中をしっかり掃除する必要があります。
ブラシをインパクトドライバーに取り付け、ホコリが出なくなるまでしっかり掃除します。
穴が深いのでなかなかきれいになりませんが根気よく掃除をしてください。
ケミカルアンカー用のボルトの準備
M16のボルトは、1Mぐらいの長さでホームセンターに売られていますのでこれを使います。
グラインダーで切って使いますが、ケミカルアンカー用のボルトは先端をV字にカットします。

ケミカルアンカー用のボルトも販売されていますので実際に現物を見ていただければ、V字カットのイメージが分かると思います。

V字にカットする理由は、ケミカルアンカー用の接着剤をしっかり攪拌するためです。
ボルトでコンクリートを削ると接着剤に悪影響が出るようなので、ボルトが底づきしないようにテープで目印をつけます。
そして最後に、ボックスレンチでボルトを回転できるようにするために、ボルトを2つ使いWナットでナットを固定しておきます。

ケミカルアンカー用の接着剤を入れてボルトで攪拌する

ケミカルアンカーはいくつかのメーカーから販売されていますが、基本的に2液性のエポキシ系の接着剤です。

ガラス管に入っているものや、ビニール袋に充填されており、穴そのままに入れて、ボルトで液を攪拌し、ガラス管を壊したり、顆粒状の接着剤を潰して接着剤を反応させます。
硬化時間は1日程度は開けておいた方が良いと思いますので、ケミカルアンカーを打ってすぐナットを引っ張ってホールダウン金物を固定しない方が良いでしょう。
柱にホールダウン金物を付ける
ボルトにホールダウン金物を通し、専用のビット1本で固定します。

そのほかの穴が下穴を開けておきます。Φ5程度を20㎜程度の深さで開けて木が割れるのを防ぎます。

穴を開け終えたらビットを締めていきます。
最後にすべてのビットを増し締めしてゆるみが無いことを確認しましょう。

ナットは手で回した程度で止めています。

ホールダウン金物の固定は□穴のビットが必要になりますので準備してください。
ホールダウン金物の取り付け自体は位置を間違えなければ問題と思います。
ボロ戸建てでホールダウンさせる意味
今回ホールダウン金物を取り付けて柱を固定しましたが、一般的に行う作業ではないと思います。
また、このシロアリハウスは10本以上柱を交換したり、継ぎ足したりしているので、ホールダウン金物で固定した柱も10本以上あり、それなりに効果は期待できます。
1本しか施工できないような場合、家全体としてみるとあまり効果は期待できませんので、この辺りは工事を行う範囲に応じで考えていただくのが良いと思います。
ただし、耐力壁や、筋交いの入る場所の柱であればコンクリートの土台に柱を固定する意味は大きいと思います。
これを言ってしまうと元も子もない気がしますが、築古のボロ戸建てのコンクリートの土台は鉄筋の入っていない場合が多いので、土台の強度が低く、この土台にケミカルアンカーで固定してどれだけ効果が得られるかは疑問が残るところではあります。
効果を発揮するような地震が来ないことを祈るばかりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。安全に気を付けてDIYを楽しんでください。