スレート瓦の雨漏り タスペーサー
雨漏り荘の本丸でもある雨漏り
残すところあと1か所。コーキングや塗装でも止まらず困っていたところ、タスペーサーというアイテムを追加することで雨漏りが止まりそうな結果が出てきました。
スレート瓦に追加するタスペーサーとは?
タスペーサーは樹脂でできたプレートで、スレート瓦の重なりに適度な隙間を作る物です。
施工方法は簡単で、隙間に差し込むだけです。
ただ差し込む位置は決まっており、縦目地(隣り合う瓦同士でできる隙間)から15~20センチ離すようです。
雨漏り荘のスレート瓦で何が原因で雨漏りしていたのか?

そもそも雨漏り荘のスレート瓦の葺(ふ)き方には問題がありました。
それは、上下の重なり合う瓦同士の隙間をコーキングで水が入らないようにしてありました。(上の写真)
一見屋根瓦すべての目地をコーキングでふさいでしまえば、雨水も入らず雨漏りなんて発生しない気がします。
ところが、屋根は日差しや、風などの影響を受けるのでコーキングも劣化していきます。
そうすると、どこかしらか水が入り込むようになります。
コーキングで瓦同士を止めていると、瓦同士の隙間が狭くなります。その結果毛細管現象により屋根の下地に水が入り込みます。
下の図は雨漏りしている現状を模式的に表したものです。
屋根の構造としては、下地にルーフィングシートという防水シートが張られていますが、施工上釘等で穴が開いているので、瓦の裏側に雨水が溜まってしまうと雨漏りに繋がります。下

そこで今回は、コーキングを取り去りタスペーサーを入れて屋根同士の隙間を最適にしようと考えました。
タスペーサーで隙間を作れば、毛細管現象は発生せず。もしも内側に入った水も排出されることが分かります。

タスペーサー追加工事
カッターでコーキングをカットして除去していきます。
今回は、雨漏りしている辺りを狙って幅1m程度で屋根の棟から雨どいにかけてタスペーサーを追加しました。

切り取ったコーキングを見ると、細かい砂(というか泥)がついており、濡れていることから以前しみこんだ水が抜けていないことが明らかでした。
前日は雨だったので予想していましたが、数日に渡り濡れた状態が続いていたとしたら、木造には良くない状態だったことが伺えます。

コーキングを除去し終えたら、タスペーサーを追加します。
なんだか、古代ギリシアの神殿のシルエットのように見えますね。

タスペーサーにはテーパーがついているので先端は手で押せば簡単に差し込むことができます。

さらに押し込んで、スレート瓦に突き当たるまで押し込んで施工完了です。
きつい場合はハンマーなどで軽くたたけば入るでしょう。

タスペーサーを追加するための工具もありますが、通常の使い方は、塗装でくっついた瓦をはがしながらタスペーサーを追加する道具なので今回の屋根には対応できないので用意しませんでした。

今回トライアルで施工完了した屋根。
手間がかかった割に、見た目の変化はほとんどないので寂しい感じがします。
また、縦目地に近いところに施工してしまっているので修正しておこうと思います。
結果
施工後2時間程度の雨が降りましたが、雨漏りは一滴も生じませんでした。
従来30分も降ればぽたぽた雨漏りしていたので改善しているようすが伺えています。
効果がありますし、屋根の内側に水が溜まるのも問題があるので、今後もタスペーサーを追加する工事を進めていこうと思います。
タスペーサーはAmazonでも購入できます。お試しで確認する場合は最小注文数100個(2500円前後)がよいとおもいます。
通常は1箱500個入りで6500円程度なので、やることがほぼ決まっているようでしたら500個で購入した方が割安で購入することができます。
参考ですが、楽天、モノタロウで調べましたが、Amazonが安く、納期も早いようでした。
屋根での作業は高所で、転倒した場合落下にもつながりますので、無理なDIYはせずにリフォーム業者でまずは見積もりを取ってみるのも良いでしょう。
また、タスペーサーを追加しても雨漏りが改善しなかったらお金も労力も無駄になってしまいますのでプロに相談することをお勧めします。
