子供と一緒にリードクライミング
最近クライミングがテレビで露出することも多くなり、キッズ向けのクライミングスクールも人数が多くなってきている気がします。
クライミングの認識が広まることはうれしいのですが、人口が増えるとケガをする人も増える可能性も高まりますので、親子でクライミングを愉しむためにも記事を書きたいと思います。
親子クライミングの事故について
私の記憶の中にいくつかあるクライミング事故を紹介します。
中学生クライマーの死亡事故
いきなり重たい話題ですが、有名な岩場であった痛ましい事故でした。
原因は、ハーネスへのロープの結びが不完全だったと記憶しております。エイトノットをしっかり行わなかったために、落下した際にすっぽりロープが抜けてしまったそうです。
この事故は、登る前にロープの結び目を確認しあうことを怠らなければ防げた事故なので、大変悔やまれます。
ビレイミスによるグラウンドフォール
アメリカで活躍している白石阿島さんが、ビレイミスによりグラウンドフォールをしてしまったという事故です。
幸い命に別条がなく、今もクライミングで活躍しているので一安心です。
この時のビレイヤーはお父さんだったと記憶しておりますが、お父さんはクライマーではなかったので、ビレイ経験も浅かったのではないでしょうか?あくまで憶測になってしまいますが。
クイックドローの組み立てミスによる死亡事故
確かスペインだったと思うのですが、クイックドローの組み立てをミスによる死亡事故がありました。
この事故は、クイックドローをカラビナとスリングで組み立てた際に、カラビナをスリングに通さず、スリングの揺れ止めに使うゴム部品(ペツル ストリング等)の切れ端にスリングをかけて使用したために発生した事故でした。
ゴム部品を作る際にできる、輪ゴムのようなリング状の不要物が付いたままになっており、この輪ゴム上のところにカラビナを通していたようです。
当然体重が乗れば簡単に切れてしまい、死亡事故になってしまいました。
このゴム部品の輪ゴム状の不要物は、この事故以来きれいに除去されるようになりました。
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しっかり知識を身につければ防げるクライミングの事故
上記の事故例のように、うっかりミスにより大けがや、死亡事故につながってしまうのがクライミングの気を付けるポイントになります。
幸いにして、10年超のクライミング経験を持つ私の周りではこのような事故が無くうれしい限りです。
私が懸念するのは、クライミング経験がほとんどない両親とクライミングにハマっている子供のパターンです。
子供を一番見ている親御さんがクライミング経験がないと、次の瞬間何が起こるか予想できなかったり、子供のロープワークが間違っていることに気が付かない可能性が高いです。
子供のビレイに親が注意すること
ロープの出しすぎによる落下距離の増大
リードクライミングでは、ビレイヤーはクライマーのロープを掛ける際にロープを出したり、あるいは、ロープがたるんだらロープを回収する役目があります。
ところが、クライマーである子供を見すぎるがあまり、ロープの回収がおろそかになるために落下距離が長くなるのを見かけます。
ロープは衝撃をやさしくするために、伸びるようにできています。そのため思った以上に落下距離が伸びてしまいます。
クライマーの登攀状況に応じて、ロープの出し入れをこまめに行いましょう。
コツは、クリップする際は、ビレイヤーは素早く2回分程度繰り出し、足りなかったら3回目をだす。手繰るときは、ビレイ器よりもロープがたるまないような長さをキープするように注意します。
ビレイがうまくいかないときは、迷わず店員さんに聞いたり、あるいは見本を見せてもらうようにしましょう。
ビレイ器は高くてもオートロック機能付きのものを
初心者には、チューブタイプのビレイ器を勧めるようですが、わたしは絶対オートロック機能付きのものをお勧めします。中でも、BD社のATCパイロット がコスパもよく使い方も明らかなのでおすすめです。
グリグリはちょっとコツがいるので、初めての方には難しく、意味が分からないし、間違えてしまいそうに感じると思います。(絵の通りロープを通せは問題ありませんが)
ビレイヤーの最大の仕事はクライマーをグランドフォールさせないことです!
ロープの繰り出しがまごついても気にしてはいけません。
使い方は下の動画を参考に
親も一緒に登れ
私は、親御さんも実際にクライミングしてみることをお勧めします。子供もお父さんや、お母さんがクライミングにトライしてくれたら嬉しいと感じると思います。
やはり、子供が楽しいと感じていることを一緒に楽しみ同じ目線で考えたりできると気持ちを共有できると思います。
体重差があるから、子供にビレイは無理だ!と思われるかもしれませんが、体重差があってもビレイヤーが安心してビレイできるアイテムもありますので、恐れずトライしてみてください。
もっともいきなりてっぺんまで行かず、低い位置で問題なくできるように練習してからトライしてください。
体重差があっても エーデルリッドのオームがあれば大丈夫!
使い方は下の動画を参考に
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