フリマアプリで買ったSLIKの三脚の部品が足りない 3Dプリンターでパーツづくり
フリマアプリを物色していると、古いけど格安で購入できる魅力がありますよね。
最近買ったSLIKの三脚
梱包から取り出し確認したところ、部品が足りてませんでした。フリマアプリの闇ですね。
フリマアプリで買った残念なSLIKの三脚
こちらがラ〇マで買った三脚。
お分かりいただけただろうか?角度を固定するネジ(ハンドル?)がありません。
さらに、カメラをマウントするための部品(雲台・クイックシュー)もありません。
おいおいどうやって使うんだこの三脚。
因みに販売時のSLIK三脚の紹介文には、一回だけ使い家で保管してました。とのこと。よく言うぜ!
フリマの紹介写真では肝心なところが写っていない場合があるので購入には十分注意(あたりまえ)
こちらが商品紹介で使われていた写真
三脚の紹介写真では、欠損部品がわかりにくい構図になっており、後から写真を見直すと悪意すら感じられます。雲台は見切れてよくわからない・・・
現物を直接確認できないのが、フリマアプリのネガティブなところですね・・・
Fusion360 と3Dプリンターで三脚部品を作ろう
部品がないなら作ってしまおうというのが、3Dプリンターの良いところ。
また、Fusion360 を使ってモデルを作成すれば、自分好みの部品に作れるのもメリットの一つ。
早速モデリングしていきたいと思います
Fusion360 でモデル設計 形状にどんな機能が必要か考える
今回のように、足りない部品を設計する場合には、どんな機能が必要か考えておくとスムーズに進むと思います。
これから造形角度固定用のハンドルですが、必要になる機能を考えると
- ネジを締めて角度を固定する
- 他の部品に干渉しないこと
上記2項目に注目すればよいと考えました。
三脚の角度固定用のネジはどんなねじなのか?
カメラ用のネジと聞くと、インチ系の1/4を想像します。
三脚に残っているネジと、1/4のネジを調べてみると 角度固定にはM6ネジを使っていることがわかりました。
ネジはネジ同士を嚙合わせると正しいか、正しくないか確認することができます。
ネジを比較するとこんな感じです
ということで、角度固定用のネジはM6が使えればいいことがわかりました。
グリップの構想は、握りやすいするためには、ある程度太さがあり、M6の六角ボルトがおさまる六角穴が必要になります。
そして作成したのが下の図のモデル。
早速三脚本体に取り付けて干渉しないか確認。
問題なさそうなので、機能面はクリアです。3Dプリンターでの造形品は割れやすいので、割れないか確認します。
強めに回してチェック
使えそうだったら接着剤で固定します。
詳しいモデリングについてはこちらから
カメラのマウント部分の製作
カメラのマウント部(クイックシュー)はカメラの本体のガタツキにモロに影響が出てしまうので重要なパーツです。
レバーで簡単に脱着できる構造と、カメラの位置を好きなところで固定できるネジ止め機能があります。
確実な脱着のために角度が付いていますが、まずは角度合わせ。
まずは45度から始めてみましたが、角度が合っていません。
隙間が空いて、全然クランプできない状態
30度で作り直してみると
バッチリクランプできました!
ところで、このクイックシューとカメラの接続は、カメラネジで行いますが、土台がツルツルだとカメラが滑ってしまいます。
そのため滑り止めが必要になるのですが、私が普段3Dプリンターの造形物の滑り止めで使用しているのは、ドアの音や、キズ防止用のクッションゴムです。
このクッションゴムは、シール状になっており、また丈夫なのでとても便利でおすすめです。
雲台のカメラネジの固定方法
雲台のモデル 雲台断面
雲台に取り付けたカメラネジ(ウィットネジ 1/4)
カメラネジは、好きな角度でカメラを固定できるように 回すハンドルがついた専用のネジが取り付けられています。ところがホームセンターで手に入るネジは、六角ボルトタイプのものです。
そのため、雲台裏には、ネジを落とさずネジを回せる機構が必要になります。そして今回考えたのが下の写真のように、力を加えると内側にたわみ、手を離すと再び元に戻る構造です。
こうすることにより。雲台内側の側壁の溝に沿って、つまみを回すことができ、なおかつネジの落下を防ぐことができました。
あとがき
今回のフリマアプリで買ったSLIKの三脚を初めて見た時は、とんでもないものを買ってしまったと後悔しましたが、自分のできることを考えてみるとどうにかなるのではないかと思いトライしました。
終わってしまうと、二日間でおわり、一番時間のかかった雲台の設計も4プリントくらいの試行錯誤により満足のいくものができました。
耐久性など心配になりますが、また作ればよいだけなので気にしないことにします。
この三脚の出品者には腹が立ちましたが、今となっては自分の想像力を働かせてFusion360 でモデル作りを行い、3Dプリンターで造形し形状を見直すという一連の流れができ、満足感でいっぱいです。
むしろちょうどよい課題を与えられて気持ちいいくらいでした。