kubo's.blog Written by s-kubota

なぜリードクライマーはテンション依存症から抜け出せないのか?

クライミング

リードクライミングでは難しいパートになるとテンションを使ってしまいます。

テンションを使わなければレッドポイントしたり、その先にはオンサイト出来ていた!なんて悔しい思いをしたこともあるのではないでしょうか。

以前の私は、よほど優しいルートでなければ大抵テンションを使っていました。ですが最近はテンションを使わずに落下しています(笑

なぜテンションを使うのか?

リードクライミングはボルダリングに比べるとフォールすることが大変怖く感じます。

私の感覚ですが、落下したときの衝撃は圧倒的にボルダリングの方がよっぽど激しいです。

同じ1メートル墜ちるとしても、なぜかボルダーよりリードで1メートル墜ちる方が怖く感じます。

この恐怖に対するアンチテーゼがテンションという妙薬だと思います。

テンションというオプション

ホールドの乏しいスラブではテンションを使いがち
次のボルト遠すぎませんか・・・

リードクライミング中のクライマーの精神状態を考えてみたいと思います。

基本的なリードクライマーの選択肢(オプション)は、

  • 前進
  • 後進(クライムダウン)
  • クリップ
  • チョークアップ
  • テンション

だいたいこのくらいでしょうか。

これに、対してボルダラーは

  • 前進
  • 後進(クライムダウン)
  • フォール

チョークアップを入れるか迷うところですが、ほとんどの方がチョークバッグを付けて登っていないので抜かしています。

明らかにリードクライミングの方がオプションが多くなりますね。これが前進できなくなると、リードはフォールもしくは、テンション。ボルダーの場合はフォール一択となります。

リードクライミングの場合、フォールもしくはテンションの2択。そうするとリード特有のフォールの恐怖があるためテンションを使ってしまうと思います。

これが更に悪化するとフォールには余裕があるにもかかわらずテンションを使ってしまうようになります。

チキンだった頃の私は、リードクライミング中は以下のような感じでした。

  1. 次の一手を出す?
  2. 次の一手の後はどうなってるのかわからない
  3. 怖い
  4. とりあえずテンションしてこの先を確認しよう
  5. テンション! コールする

つまるところ、リードクライミング中は常にテンションを掛けるというオプションが頭をよぎってしまいます。

リードクライミングにおける安住の地テンション沼

リードクライミング脱テンション
ハングドック
テンション使うとムーブがバラせる!

別にテンションを使うことが悪いというわけではありません。私は単純にテンションをよく使う自分を変えようと思い立ちました。

ですが、一度付いたテンションを使うスタイルは、その安心感が故に全く抜け出せませんでした。

クライミングは好き!怖いけどリード愉しい。テンション使わずに登れたらかっこいい!だけど怖い。テンション!

もう沼!

テンション沼!

その居心地はぬるま湯。いくらでも浸かれる。

抜け出せないぜ!テンションの沼!

グレイシー柔術からグレイシースタイルを見出す!

スラブであろうとテンションを使わず突き進む
スラブルートはボルト間隔が広いとビビる

テンション沼から抜け出せなかった頃以下のような話を聞きました。

格闘技に詳しい友人から、グレイシー柔術か総合格闘技に登場したときの衝撃はそれはすごかった。と

なんでもグレイシー 一家のファイティングスタイルは決して己からタップ(ギブアップ)しない。

セコンドも一切タオルを投げない(セコンド判断でのギブアップ)

なんて恐ろしい一家なんだと!と思いました。

そして私は思いつきました。

一切テンションをコールしないクライミングスタイルをグレイシースタイルと命名することを。

挑戦するプロジェクトに名前をつけると強い

有笠山 奥壁

友人にこの事を告げると、気に入ってくれたようでした(あくまで想像)。もっとも、私が一人で喜んでいただけかもしれませんが・・・

想像していただきたい。これからリードにトライするときにクライマーに対して、ビレイヤーが

「絶対テンション使っちゃダメですよ」って言う場合と、「グレイシースタイルで行きましょう」って言う場合を比べると圧倒的にグレイシースタイルで行きましょうと行ったほうがポジティブになりますよね!

これは「使っちゃダメ」というそもそもネガティブな内容に対して

グレイシースタイルで行きましょうの方が、目的を達成しようという気持ちに繋がるからだと思います。

このように、何かに挑戦しょうとするときには、プロジェクト名を付ける事が大切に思います。

さぁ 脱テンション!

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