kubo's.blog Written by s-kubota

コミュ障だから上達しないは言い訳でしかない

クライミング 書評


ジムに行くと、コミュニケーション能力値が高い人ほど、うまい人からアドバイスもらえて上達していくように見えませんか?

登れない課題のアドバイスをもらいたいのに、話しかけられない。

俺みたいなコミ障がいきなり常連メンバーに声かけるなんて無理

だけどうまくなりたい!!

そんなあなたには、”インナーゲーム”を読むことをお勧めします。

インナーゲームってどんな本?

インナーゲームでは、自分自身をセルフ1とセルフ2に分けてテニスの上達する方法を説明しています。
クライミングの話なのにテニス?

そう思いましたよね?

安心してください。

インナーゲームで解説している上達方法はありとあらゆるスポーツに応用できる内容です。

なぜならば、インナーゲームでは、自分自身がムーブ動作を自然学習する方法を教えているからなのです。

インナーゲームを読み進めていくうちに私は、バガボンドベルセルクという漫画を思い出しました。

読んだことのある方は、インナーゲームの内容が何となくわかるかもしれません。

インナーゲームから見る バガボンドとベルセルク

バガボンドとベルセルクの主人公はどちらも強い剣士として描かれていますが、”心の在り方”という点で見ると180度違うことが分かります。

【バガボンド】内面を掘り下げる宮本武蔵 まさにインナーゲーム理論

インナーゲーム自身との会話

漫画の初期段階の宮本武蔵は単に力の強さを強調されて描かれていましたよね。

ところが、宝蔵院の胤舜戦での敗北し、胤栄の稽古を経るうちに自分自身と向き合う事になります。

その後の沢庵坊、石舟斎、小次郎との出会いや、じゃれ合いを経て武蔵の内面は成長し、強さとは何だったのか自問自答していましたよね。

当初武蔵は「No.1に俺はなる!」という目標を掲げて、吉岡一門の戸を叩きましたが、そのころの武蔵の行動原理は自己顕示欲の塊でした。

武蔵がホンモノの強者と対峙を重ねるうちに、本当の強さを追い求めるうちに、自分の体の声を聴くことに注力してきます。

このような過程を経て、子供のころ夢中で刀を振っていた頃の方が剣術の本質に近かったことに気づかされます。

これが正にインナーゲームで伝えたい内容なのです。

バガボンドにおける極地 自分の体の声(セルフ2)を聴く

刀は刀であることを辞められない あるがまま こそ最強。

禅問答的な終着点になってしまいますが、無心で刀を振り、刀のあるがままを引き出す

それを体現したのが吉岡衆の殲滅戦だったのでなはいかと思います。

1対1を70回繰り返す。終盤の宮本武蔵が ぬたん と刀を振ると人体が真っ二つに。

顔をしかめて、いかにも力いっぱい振るよりも、無意識下で全力で刀のあるがままの姿を体現したとき本当の威力が現れる。

あるがままを追求するために、周囲の音、自分の声全てを消して刀を振る宮本武蔵が印象的です。

インナーゲームでは自我によりかき消されてしまう、体の声に意識を向ける事こそスポーツを自然習得ために必要であると解説しています。

【ベルセルク】怒りの力で武装するガッツ まさにセルフ1

ダークファンタジーとして人気の高いベルセルクですが、主人公ガッツの力の源は感情です。

怒りで塗りつぶせ!

人外の使徒と戦うガッツは、途切れそうな意識を繋ぎとめるために怒りの感情をフル活用していますよね。

ドラゴン殺しという鉄塊の剣を使徒に叩き込む。

義手に仕込んだ大砲の反動を使ってドラゴン殺しを振り回す。

そんなガッツの戦い方は魅力的ですし、海外ファンが多いのもうなずけます。

ガッツの力の源は言語化された感情である点が、バガボンドの宮本武蔵の追求する強さと大きく異なる点ですよね。

インナーゲームの主張 心にガッツも宮本武蔵も存在している

インナーゲームによると、自分自身は2つに分けられ、ベルセルクのガッツ的な感情の部分をセルフ1とよびます。

セルフ1の感情に対して、宮本武蔵が聞き耳を立てる体の声をセルフ2と分類しています。

インナーゲームの主張は言語化による縛りが本来できるはずの動きを抑制しているというのです。

わかりやすいセルフ1の声

あなたができていない課題(ボルダーにせよ、リードにせよ)にぶち当たったとき、○○のせいだ と言語化していませんか?

例えば、ルートの課題で手数が多い課題が登れなかった場合、自分には持久力が無かったから登れなかった。

こんな風に解釈すると気持ちが落ち着きませんか?

できなかった理由が明確になった(と思いこむ)ら安心してしまうのが人の常です。

この言語化することでわかった気になってしまうのがセルフ1の厄介なところなのです。

できなかった理由を自分の体(セルフ2)に聞いてみよう

でも長物のルートができない原因が持久力が無かったから。

という結論で済ませてしまうと上達できません。

もっとできなかった理由を分解する必要があります。

持久力が無くて登れなかったをマインドマップで分解すると下の図のようになります

単に言語でひとくくりにしてしまうと、本当に改善しなければならないポイントを見失ってしまうのです。

こんな時は、体の声に耳を傾けできなかった原因を見極める必要があります。

インナーゲームの主張 上手くなる方法は体が既に知っている

上手い人からとっておきのムーブを教えてもらったのに、実際やってみたら全然しっくりこず、だけど教えてもらった以上そのムーブでなんとか登った。

こういうことは意外と多く、自分にとってはこっちのムーブの方がやりやすい。

そんなことも多くあります。

オンサイトという言葉のせいで、クライミングは少ない本数で登ったほうが良いという風潮がありますが、何度もトライして自分の体になじむムーブを見つけながら登るクライミングのほうが味わい深いと思います。

インナーゲームによると、自分の体の声を注意深く聞くことが大切とされています。

私の経験では、自分の体の声(特に重心の位置)に耳を傾けると成果に繋がることが多いですね!