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小川山リードクライミング パンキンプンクン5.12a&本気(マジ)のライン5.12a RP

クライミングエリア情報


小川山にはたくさんの触ってはできないままになっているルート(通称宿題)があるのですが、その中でも、思い入れのあるうちの一つのパンキンプンクンがRPでき、翌日には親指岩の本気のラインがRPできました。

数年に渡り宿題になっていたルートがどうして登れたのか?また、同じグレードではありますがの内容の違いや面白いと思ったことを書きたいと思います。

面白怖いパンキンプンクン 謎のグレードダウンしてしまう

パンキンプンクンは、屋根岩5峰の基部にあり、5峰の中でもやや回り込んだ先にありアプローチ時間が長くなるルートです。

パンキンプンクンを登ったことのある人ならば、おや?っと思った方もいるかもしれませんが、新しい小川山のトポが出るまではパンキンプンクンは、5.12bでしたが、この度5.12aという格下げ措置を受けてしまいました。なんでやねん!(似非関西弁)

ただ、グレードダウンしたからと言って自分の中でルートの価値が低下したとは思いませんでした。

私の初めてパンキンプンクンを触ったときの印象は”怖い”でした。

出だしのトラバースから、直上そしてトラバースを経て直上するのですが、特に上部のトラバースは体力的にきつくなってから突っ込むことになるので、登る前からビビっていました。

実際のところ初日は上部のトラバースまで行くことができず、中間部のムーブがこなせず大変苦労しました。

パンキンプンクンを難しくしているポイントは傾斜とレストポイントがほとんどない点だと思います。

出だしはそんなにホールドは悪くないものの、ムーブ的には気持ち悪い感じになり、その後強度の高いデッドムーブが続きレストは4P目のガバガストンくらい。

その後トラバースパートでガバホールドが出てきますが、そもそも傾斜がきついので回復できるわけではなくさらに完登率を下げている要素だと思います。

振り返って考えるパンキンプンクン完登するためのムーブ攻略

ポイントは2つで、手数を減らす。と反復練習です。

手数を減らす理由は明確で、パンキンプンクンはかぶっているので、むやみに手数を増やすとパンプして完登率が下がります。

特に上部のトラバースまでどうやったら手数を減らせるかを考えました。

特に4ピン目前後はクライマーによってムーブが変わります。私は、ムーブが少し複雑になっても手数を減らす。

私は、4ピン目右側のガバガストンから、ピンの左へ右手のクロスムーブと、その左側の小さいサイドガバと使ってトラバースし、上部のガバ帯へ至ります。この時クロスムーブで出した右手を効かせるために腰を落とし気味にするので、体幹を消耗します。

友人にも勧めましたが、リーチが異なるので、体格が大きいとやりにくいようでした。

5ピン目に至るガバ帯からゴールまでは基本的にガバホールドになりますが、パワフルなムーブになります。

このパートでも何度か落ちていますが、印象的だったのは疲労感が足に来ており、5ピン目で体を上げることができなくなっていたことです。

4ピン目辺りからフットホールドの位置や向きが悪く、足にもだいぶ疲労感が溜まってからラストスパートになります。

今回初めて足が疲れて完登を逃したと思います。

反復練習の大切さ

パンキンプンクンは手も足も順番を間違えるととたんに完登率が下がります。また上記のようにかぶっていることでパワーも消費してしまうので手数はできるだけ減らし、レストポイントではしっかり手を休ませる必要があります。

ところが、パンキンプンクンはほとんど休めません。

だから反復練習をして、使うホールドをミスしない。手順、足順を間違えないようにしておくことが完登に繋がります。

当然使うホールドを忘れないようにすることも大切です。チョークを使って目印を付けておくこともよいと思います。

パンキンプンクンはグレードが下がってしまいましたが、登りごたえもありますし、もしこのルートでてこずるならば登った後は自分のレベルが1段上がったように感じられる素晴らしいルートだと思います。

本気のライン 5.12a

1品目が高いのでちょっと怖いですが落ち着いて登れば問題ないルートです。

全体を通して垂直なルートのため、バランスさえ保てればホールドが悪くてもレストしやすいルートだと思います。

核心はトラバースからカンテに出るまでのパート。

細かいホールドが散りばめられているのでこれらを組み合わせと手順で解決しました。

中でもカンテを使い足を上げるムーブが特に悪く、私は手で使っているホールドのすぐ下のフットホールドに立つトリッキーなムーブとなりました。垂壁でほぼ手に足ムーブでバランシーです。

このパートが終わると、垂壁なのでレストする事ができます。

終了点に向けてはカンテの左面側に出ますが、焦らずホールドを探りながら進みます。

終了点直下はハイステップで少し怖いですが、フリクションが良い事を信じて乗り込み終了となります。

ルート全体を通してホールドが細かくスタティックなムーブが必要になりますが、自分のリーチと相談しながらムーブや手順を組み立てていくのはとても面白かったです。

グレーディングはカンテに出るまでのパートをどうこなすかで感覚が変わると思いますが、全体を通してレストできるので妥当なグレーディングだと思いました。