kubo's.blog Written by s-kubota

クライミングのハリボテの製作方法

DIY クライミング

How to make climbing Volume

その他のハリボテの図面はこちらからどうぞ

DIY好きのクライマーの方々の中には、ジムについているハリボテを見て

”あれくらい作れる”なんて思う方もいるのではないでしょうか?

そんな方に向けて簡単なハリボテの作り方を説明したいと思います。

※ 図面を公開していますが、ハリボテの使用環境によって必要な強度も変わりますので制作したハリボテの強度は保証しません。あくまで個人の判断で使用してください。

今回製作する自作のハリボテのイメージ
3D CADでハリボテを設計
ハリボテの図面

上の図のような三角錐のハリボテの作り方を紹介したいと思います。

一辺が577㎜ 高さが約200㎜ 比較的のっぺりしているハリボテになります。壁の角度は薄被りぐらいに使うのがよさそうですね。

大きすぎる場合は図面の数値に0.7とか0.5をかけて小さくしてください。角度は変わりません。

ハリボテ作りの準備を始めよう

ハリボテ作りにかかる費用

ハリボテ作りの初期費用表

初期投資として必要なものを上げるとこんな感じです。合板は都度購入することになると思いますが、ほかの物は流用できます。

ハリボテ作りに必要なスキル

とにかく丸のこを安全に使いこなすこと! とても大事です!

ハリボテ作りの装備(服装・保護具)

  • 保護メガネ
  • マスク
  • 手袋 塗装時はゴム手がベター

ハリボテ作りに使用する道具

  • 丸のこ
  • 丸のこ用の治具(直線切り)
  • インパクトドライバー 
  • 自由スコヤ

丸ノコについてはこちらの記事を参照

ハリボテ作りに使用する材料

  • 合板 厚み15mm以上推奨
  • コースレッド(木ネジ)
  • 木工用ボンド
  • 下地塗料
  • 床用塗料
  • #6珪砂

ハリボテ作りの手順

STEP 1 合板を丸のこでカット!

図面通りに合板をカットします。

今回は、3面がすべて同じ形になりますので切り出し用の図面は1種類です。

ハリボテの図面 今回はこれを3枚切り出します。

カットの仕方ですが、1枚の合板から 丸のこ を傾けて直接カットする方法と丸のこを傾けずそのままカットして、後から角度をつける方法の2パターンがあります。カットするときには合板を治具にしっかり固定しましょう。

1枚の合板から角度をつけて直接カットする方法は、丸のこ をバックカット(通常丸のこを押す方向でカットするのに対し、引いてカットすること)する場合が出てくるのであまりオススメできません。

ハリボテの材料を3枚切り出した
まずは角度を付けずにカット
ハリボテ材料を並べたところ
これから斜め切りをする
取り付け面(下の面)だけ角度を付けてカットしたとこ

私は、治具を作って切り出した後に角度をつけています。今後紹介したいと思います。

ホールドをつける想定の場合爪つきナット用の穴をあけます(私はΦ12で穴あけ)

STEP 2 接着!

合板同士を木工用ボンドで貼り付けます 1晩放置

乾燥中にずれないようにするために養生テープや、ガムテープで仮止めするとよいでしょう

ハリボテの材料の斜め切りを終えたところ、接着剤で固定してます
接着剤を塗って張り合わせたところ

STEP 3 補強

接合面の補強をします。STEP 2で張り付けたところを2x4などの角材を使って補強します。この時、あわせ面の角度に合わせて角材をカットします。この時、内側の角度を調べる必要がありますが、自由スコヤを使うと便利です。

自在スコヤを使うと、正確に角度を測定してカットできます。

端材を使って補強

ハリボテの接合面の隅は、どうしてもはがれやすいので私は、木工用ボンドと、丸のこで合板をカットした時に出てくる大量のおが屑を混ぜ混ぜしてパテとして使い補強しています。合わせ面で隙間ができた時もこのパテをねじ込んで埋めてしまいます。

角材がカットできたら、コースレッド(木ネジ)を使って止めていきます。

補強材と、ハリボテの接合面にもボンドを塗ります。ボンドは接合面の両方に塗ってから組み立てます。はみ出したボンドはウェス(ぼろ布など)でふき取りましょう。

STEP 4 下地処理

ハリボテの角をサンドペーパーなどを使って丸めます。鋭利なままでは危険です。削る量が多いところは、のこぎりでざっくりカットし、サンドペーパーをかけていきます。

塗装前のハリボテ
隙間をパテで埋めたり面取りしたり
角を丸めたところ

STEP 5 塗装

下地を塗ります。数時間放置

下地を塗ると、塗装が上部になるなどの効果が得られるので私は塗るようにしています。

塗料を塗ります。塗料に珪砂#6を混ぜるとハリボテ特有のざらつきが得られます。

↓珪砂#6

下地塗装を終えたハリボテ
ホワイトを塗っておくと後から乗せた色も発色が良くなります。
白塗装したところ 塗料に珪砂を混ぜています

※珪砂#6はかなり細かいので、マスクの着用を推奨します

部分的にざらつかせたいときは、スケートボード用のデッキテープを張ってもよいでしょう。

私は、コンクリート床用の塗料を使用しています。また、単色ではつまらないときはマスキングテープを活用して直線的なラインを入れたりもしています。

爪つきナットをつけて完成!

爪付きナットを購入する際には、パチモンにご注意ください。ネットで値段だけで選ぶと軟弱で使えないものが来たりします。

1日では作り切れないと思いますが、休日の空いた時間を使って材料の切り出しを済ませてしまえば、接着や塗装は仕事終わりにチョコチョコやって進められます。

丸のこの注意点

丸のこは大変便利な道具と同時に、危険な道具でもあります。キックバックで死亡事故も起こっております。

キックバックって何?と思った方は迷わずYoutubeで”丸のこ キックバック”で検索して勉強してから制作してください!

他の形のハリボテ図面はこちら

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