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自作フライリール Fusion360でモデリングして3Dプリンターで出力!

3Dプリンター Fusion360 フライフィッシング

Fusion360で設計したフライリール

Fusion360で構造が簡単なフライリールを作ってみました!

思いのほかよくできたので紹介したいと思います。

フライリールは構造が簡単なので自作しやすい

フライリールは他のリールに比べて構造が単純です。そのため、意外と簡単にフライリールって設計できるのではないかと考え、Fusion360でモデルを作ってみることにしてみました

モデリングの前準備 基本構想をイメージしてから作業を始めよう

基本構造がまとまらない内に、モデリングを始めてしまうと、後々大幅設計変更をしなければならないことがしばしばあります。そうならないようにするためには、はじめに何を決める必要があるか整理しておきましょう。

今回は、設計するのがリールなので どんな構造が最もスムーズな回転が得られるか?

また、ドラグ機構をどうするか?

という2点を整理して イメージを膨らましました。

そしてできたのが下のイメージ

自作フライリールの基本構造

フライリールの構想がまとまったら購入品の仕様を確認してモデル製作に反映しよう

今回私が考えた構想は、スプールの中心にカチカチ鳴る機構を設けて、その両端にベアリングを設置することにしました。

今回問題になったのが、カチカチ鳴る機構の大きさです。

カチカチ鳴る機構よりもベアリングを大きくしないと、スプールの中にカチカチ鳴る機構が収めることができないのです。

ベアリングの品番を決めてしまいたいのに、カチカチ鳴る機構の構想をまとめるのが先になってしまいました。

カチカチ鳴る機構は、バネで三角型の部品をストロークさせるイメージなので、どんなバネをどのようなレイアウトにするか考えてみました。

その結果が下の図です。

自作フライリールのカチカチ鳴る機構

ツメをばねで上下させるためには、ある程度ストロークを確保する必要があります。

そのため、最初の構想では回転軸は、1本の棒で考えていましたが、ばねのストロークを確保しようとすると円の中心に棒が来てしまうと、ストロークが不足してしまいます。

そのため、今回は1本の回転中心ではなく、3本で回転中心の代替えを行うことにしました。

この構造にすることで、バネのストロークを稼ぎつつ、3本のうちの1本がバネが飛び出すのを防ぐこともできるようになりました。

そしてこの構造を取ることにより、カチカチ機構よりも外径の大きいベアリングを選定することになりました。

そして選定したのが外径42㎜ 内径30㎜ 幅7㎜の深溝軸受け(ボールベアリング)です。品番は6806。

自作フライリールに採用したベアリング 品番6806

単純に外径を大きくすると、幅も厚くなり重たくなってしまいますが、こちらのベアリングは幅が7㎜とそこまで厚くないので、そこまで重たくないだろうと考えました。

仕様が決まったらフライリールのモデリングを進めよう!

Fusion360を使った自作フライリールのモデル

カチカチ機構のスプール側は、スプールの内側に内向きの山を沢山作り、この山をオレンジ色のパーツが乗り越えるときに鳴るようにしました。

スプールの内側の内向きの山型は、一つの山を作り、円形パターンでちょうど、内径が山でいっぱいになる個数分だけ増やしました。

円形状パターンのコマンドを使うと、同じモデルを一気に複製することができるので簡単です。

Fusion360の円形状パターン

いくつも作った山は、結合コマンドでスプールと一体化させます

カチカチ機構は、緑色のパーツをオレンジ色のツメで構成されています。

緑色のパーツを半割にすると右の図の通り スプリングは省略しています。

Fusion360で作成したモデルはSTLに変換して3Dプリンターで作成

Fusion360で作ったモデルをSTL変換する際には、モデルを右クリックするとメニューが出てくるので、このウィンドウでSTLに変換します。

Fusion360でSTLに変化する方法

3Dプリンタで作成したスプール

3Dプリンターで作ったフライリールのスプール

冒頭の写真とは異なる形状ですが、内側の山の様子がわかります

3Dプリントしたカチカチ機構

カチカチ機構はこんな感じです

3Dプリントしたブラケットとにベアリングを組み付ける

スプールともう一方のベアリングを組み付ける

3DプリントしたパーツにNTNのベアリングを組付けたところ

ベアリングの はめあい はクリアランスを0.05から0.1㎜程度取っています。しかし、若干小さくできているのか力を入れて押し込む感じでベアリングを組み付けることになります。

ベアリングにはちょうどよい はめあい になっている気がします。

もちろんお使いのプリンターの状況で若干変化すると思いますので、事前に確認しておくのが良いと思います。

最後に蓋を締めて完成

M6の六角ボルト3本を締めこんで完成です。ハンドルはM4のネジがむき出しですが・・

ちゃんと冒頭の写真のようにハンドルを付けています。

自作フライリールをフィールドテストしよう

実際使ってみるとわかることも多いので、とりあえずフライラインを巻いて釣りに行ってみました。

カチカチ機構は、若干引き抵抗が大きすぎる気がしますが、全然ダメ といった感じではありませんでした。60点くらいでしょうか。

自作フライリールを 使って分かった至らない点

フライラインが、ブラケットとスプールの間に嚙みこんでしまい使い勝手がイマイチ

また、外周に凹凸を付けたことで、フライラインが引っかかる・・・

とりあえずスプールだけでもモデルを作り直すことに。

ブラケットとスプールの間にフライラインが噛みこんでしまう現象については、フライライン安定させる部品が必要なようです。

今のところは、3Dプリンターで作るよりも、ステンレスのバネ針金でガイドを作る方がよさそう。

また形状変更した内容は、更新していきたいと思います。

フライリール 別バージョン
こんなスプールも検討中

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