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小豆島クライミング 拇岳ダイレクトルート敗退

クライミング クライミングエリア情報

2024年正月に小豆島へクライミングに行ってきたので振り返りたいと思います。
これから小豆島の拇岳へ行かれる方にとっても
アプローチなどでの注意点を書くので参考になると思います。

【注意】オンサイト狙いの方は、ルートの説明などあるので見ないでください

マルチピッチのロープワークや懸垂下降の解説記事は、こちらの記事を参考にしてください。

マルチピッチ解説記事【マルチピッチシステム・ギア】

マルチピッチする前に読んでおく記事

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拇岳ダイレクトルート基部へのアプローチ

拇岳駐車場、荒神宮駐車場のルート拇岳ダイレクトルートへのルート

駐車場

下の写真は上のマップの①の場所です

この部屋ピンカーブを曲がると拇岳への登山口に到着します。

荒神宮への入り口

google mapで荒神宮で調べると、直線距離で近い場所へ案内されてしまうので、
地図ロイドなどのGPS&国土地理院の地図が見れるようなアプリを入れておくと安心だと思います。
拇岳の登山口は石積みの壁に赤字で描いてあるのでわかりやすいです。


登山道は、溝状になっているので前日に雨が降っていると川になっている場合がありそうです。

基本的に踏み跡があるので道迷いがありません。

ですが、私たちはアプローチを間違えてしまいました。

クライマーホイホイでダイレクトルート基部へのアプローチを間違える

拇岳ダイレクトルートアプローチ間違えやすいポイント

拇岳の登山道をそのまま進むと、2か所ちょっとした岩歩きが出てきます。
赤矢印で岩を上るように指示してきますがこれは間違いです。

白丸のところに矢印があるのですが、これに従うと基部に取り付けません。

クライマーならばちょっとした岩歩きが出てくると
こんなもの楽勝
とばかりに突き進んでしまうと思います。
ですが、絶対に進まないでください。

取り付きまでは岩歩きはありません。

ある程度登ったら、踏み跡をひたすら左へ進みます。

ダイレクトルート基部へのアプローチ間違えるポイント

1つ目のミスポイントは、岩場を上がると手を使わないと登れないような岩場になり、懸垂下降しないと降りれなくなります。

2つ目はフィックスロープが出てくる場所です。
岩場に行くとフィックスロープが目印になっている場合も多く
そのまま上って行ってしまいますが、絶対に上ってはいけません。

我々はこの罠にまんまとはまりアプローチに1.5時間かけてしまいました。
通常30分くらいといわれています。

ダイレクトルート マルチピッチ

拇岳ダイレクトルート基部

拇岳ダイレクトルートの取り付きの目印の銘板
拇岳ダイレクトルート1ピッチ目入り口のチムニー

ブログの写真でよく見る溝状のチムニーと、銘板が目印です。

拇岳ダイレクトルート 1ピッチ目 チムニー

グレードは5.7ですが、下部に残地支点はなく、カムを持ってくればよかったと後悔しました。
キャメロットの#3~2くらいが、ちょうどいいのではないかと思います。
ただし、その後のピッチで、このカムの出番はありません。

クラックパートの上部からピトン(ハーケン)やリングボルトが出てきます。
ただし、経年劣化で錆がひどく、いつ折れても文句は言えない支点です。

拇岳ダイレクトルート1ピッチ目中に現れる支点

クラックが終わるとやや左側の弱点を突いて1ピッチ目が終了します。
1ピッチ目の終了点はペツルのリング付きのアンカーボルトなので
安環付きカラビナの使用量を減らすことができ、支点構築の時間が短縮できます。

拇岳ダイレクトルート1ピッチ目終了点

拇岳ダイレクトルート 2ピッチ目はフェイス

拇岳ダイレクトルート1ピッチ目から2ピッチ目を見たところ

1ピッチ目からやや左に上りだし、最終的に1ピッチ目終了点の真上が2ピッチ目の終了点になります。
2ピッチ目の終了点は、ルート上で最も小さいテラスです。

拇岳ダイレクトルート2ピッチ目終了点

拇岳ダイレクトルート 3ピッチ目 フェイス

拇岳ダイレクトルート 2ピッチ目の終了点から3ピッチ目を見たところ

3ピッチ目は直登後クラックに沿って左側に出てから、右に戻り最終的に
2ピッチ目の直上に上がります。

1~3ピッチは5.7~5.9程度のグレードが付いていますが、支点の心もとなさや、
岩に苔が付いているので、フリクションで登る際はとても緊張します。

リスクを考慮すると5.10a程度あってもいいんじゃないかと思いました。

拇岳ダイレクトルート 古い支点でプロテクションを取る

錆びたピトン、リングボルトもアルパインヌンチャクを使ってまとめれば少しは安心か?

拇岳ダイレクトルート3ピッチ目終了点直下

3ピッチ目のテラス直下では、次のボルトが見えません。

貧弱な終了点があるのでここでピッチを切るか迷うところです。

ですが、左上に上がるとペツルのリング付きのボルトが現れます。
ここで進むべきか迷いました。

拇岳ダイレクトルートの3ピッチ目の終了点

思い切って突き進むと整備されたビレイポイントが現れます。

拇岳ダイレクトルート 4ピッチ目 ルート最高難度の5.11b

3ピッチ目の終了点から4ピッチ目を見るとこんな感じです

拇岳ダイレクトルート 3ピッチ目から4ピッチ目を見たところ

明確な節理が出てきたところから核心パートがはじまります。

詳細はダイレクトルートに行って確かめてきてください。

拇岳ダイレクトルート4ピッチ目核心付近のルート

正直前日クライミングした吉田の岩場の雷神5.11bより難しいです。
雷神はルートファインディング的に難しさを感じましたが
4ピッチ目の核心では、突き抜ける力が求められます。
良い点は、しっかりとしたハンガーボルトがあるので比較的突っ込みやすいと思います。

ダイレクトルート4ピッチ目、無念のA0(人口登攀)

私は何度かトライしましたが、結局ムーブがわからずヌンチャクをつかんで(A0)で突破しました。

核心を抜ければさほど難しい場所もなく抜けられます。
4ピッチ目の終了点もしっかりしたテラスがあるので安心です。

拇岳ダイレクトルート 5ピッチ目敗退

拇岳ダイレクトルート4ピッチ目終了点のテラス

パートナーとで4ピッチ目の終了点に上がってきたのが15時

タイムリミットが14時30分と決めていたのでここで敗退です。

マルチピッチでは、予想以上に時間がかかってしまうこともあるので、のぼりはじめる前にパートナーと撤退する時間を決めておくことをお勧めします。

登り始めて3時間

二人合わせて8本上っているので1本あたり22分ほどかかりました。

アプローチミスで1.5時間消費してしまったのが悔やまれます。

小豆島 ダイレクトルート まとめ (敗退したけど)

拇岳ダイレクトルート下降中から見た景色

ピッチを上げるごとに広がる景色はマルチピッチの醍醐味です。

1月なのに暖かく(長野と比べて)小豆島では最高のクライミング体験となりました。

敗退してしまったのは本当に悔しいですが、宿題を残したことでまた来る理由ができました。

ダイレクトルートのプロテクションの補足

古いピトン(ハーケン)とリングボルト

ルートを通して、残置のピトン(ハーケン)、リングボルトを使う事になります。

ヌンチャクは17本程度あれば安心だと思います。

残置が連打されている箇所もあり、全部にクイックドローを使うと足りなくなる印象でした。

また、残置自体が錆びているので、こまめにプロテクションを取りたくなると思います。

グレードが低いとはいえ、部分的にランナウトする場所もあるので気合を入れて挑んでください。

拇岳ダイレクトルート 2ピッチ目ランナウト

ダイレクトルートの岩質など

拇岳は花崗岩の塊です。

部分的に岩がもろいところもありますが、人が登れば将来的に安定すると思います。

あまり人が登っていないからなのか、気候的なものなのわかりませんが、岩に苔がついているのでフリクションに頼りたい時には、さびさびのプロテクションと相まって非常に緊張します。

ダイレクトルート懸垂下降での注意点

末端がギリギリ足りた60mロープを使った懸垂下降。ダイレクトルート1ピッチ目

今回60mのシングルロープでトライしましたが、1ピッチ目の下降ではぎりぎり足りました。

おそらく50mロープシングルではロープが足りなくなります。

50mロープで挑戦するならばダブルロープが必須です。

どうしても50mシングルになってしまうときは、チムニーへ降りる手前にペツルのハンガーがあるのでそこでピッチを切るしかありません。

しかも、ハンガー1本なので落下のリスクがかなり高くなります。

準備はOKですか?

そろそろ更新時期?クイックドロー【クイックドローの選び方】

あると便利な長ヌンありますか?

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最近公開された赤嶽エリアもあるので、冬季のクライミングトリップに行きたいですね。