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鷲頭山 クライミング

クライミング クライミングエリア情報

今回は静岡県沼津市の鷲頭山へクライミングの紹介をします。

この記事では、google mapの位置情報を使った鷲頭山の駐車場アプローチの説明、またエリアごとの紹介をしています。特に円形劇場は初見では岩場にたどり着けない場合もありますので参考にしてください。

鷲頭山は、100岩ではたった2ページしかありませんが、グレードも5.7くらいから5.13aまで幅広いグレードがあり、初心者からつよつよクライマーまで様々なレベルのクライマーが楽しめる岩場だと思います。そして、クライミングの歴史的にも重要な岩場であり、フリークライミング明瞭期に明確にグレーディングされたルートがあるようです。当時は”鷲頭もうで”なんて言葉もあったそうです。

フリー化されたルートのほかにピトン(ハーケン)が打ち込まれたクラックがいくつもあり、当時様々なトライがされていたことが伺えます。

鷲頭山のエリア

鷲頭山は大きく分けて5つのエリアにわかれています。

  • メインウォール
  • サンキューロック
  • ジャガイモ岩
  • カッチンロック
  • 円形劇場

各エリアの特徴

メインウォール

鷲頭山 メインウォール

メインウォールはエリアの中で一番大きく高い(長い)ルートがあります。そのため、樹木より高い終了点からの眺めは海を一望でき爽快です。

グレードは5.6~5.12bまでと広範囲にわたり、鷲頭山初体験ならば是非ともトライする岩場ではないかと思います。

斜度は垂壁からスラブがメインとなっています。落石の報告があった”ギブ マインド トウ”は下部に小さいハングがあり、他のルートとはちょっと違った味わいがあります。

因みに落石は下の写真の黄色い丸のところで、変色している様子から落石があったことが分かります。そのため、トライする際はクラック付近の岩が脆い場合がありますので、十分注意してトライしてください。

鷲頭山の落石のあった箇所
ギブマインドトゥのルート上に位置する

マンボウなど有名なルートがあります。

ボルトはケミカルハンガーに打ち換えられてルートも多く、海の近くの岩場の割に安心感があると思います。

ボルトルートだけでなく”メイズ 5.10d”は、ボルトとナチュラルプロテクションのミックスルートですし、完全にクラックでプロテクションを取るルートもあるので、スポートルートからトラッドまでこじんまりしたエリアの中で様々なクライミングが楽しめるエリアだと思います。

岩のコンディションや日当たり

季節ごとにトライする時間帯は決まってくる。メインウォールの岩は西向きなので、午前中は日当たり悪く、日中から夕方までは日が当たります。

そのため、暑い時期は朝の早い時間帯が岩に日が当たらず比較的コンディションが良くなります。また、寒い時期は、昼過ぎ以降の方が岩が温まり手がかじかみにくくなるでしょう。

岩場にはピトン(ハーケン)も多く刺さったままになっておりますが、さびまくっているのでやたらと使わず放っておくのが良いでしょう。

また叩くと軽い音がすることもあるので、岩が欠ける場合がると思います。またグラつくホールドもあるので要注意です。

メインウォールの岩質は長野県のボコダキ岩を彷彿とさせ、溶岩系の岩なのだろうと思います。

長野県 坊抱岩【ルートクライミング】

長野県の千曲市にある坊抱岩 尾根に起立している岩峰からの眺めは最高です。尾根に位置しているので、暑い夏でも比較的涼しく登ることができます。

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岩質は基本的にザラザラした感じなので、外傾ホールドでもフットホールドとしては十分フリクションがあります。ですが、ところどころに白い岩が露出しておりツルツルしているのでスリップには要注意してください。

サンキューロック

鷲頭山サンキューロックのワイルドビターのライン

メインウォールから北側に行くとすぐ現れるエリアです。

ここはちょっとパッとしない印象を受けますが、短いながらにムーブが必要になったりルートファインディングが必要なったりします。

ワイルドビターの動画があるので参考にどうぞ

また、登る人が少ないためルートが自然に帰りつつあるので、ワイルドなクライミングがしたい方にはおすすめのエリアです。

グレードは5.9~5.12までありますが、5.12のルートはハンガーが抜けていたりしていてよくわからないです。

サンキューロックを回り込むと緩斜面のエリアが現れます。とてもやさしいルートなのでリード初心者が練習するのにちょうどいいと思います。その割に終了点からの眺めはとても気持ちいいのでアップにお勧めです。

カッチンロック

鷲頭山のカッチンロック手前がダイハード

サンキューロックからさらに北側に進んでいくと少し下ったところに現れる岩場がカッチンロックです。

カッチンロックのエリアは比較的やさしめのルートが多くエリア全体が木陰に隠れているので、日差しが厳しい時期はエスケープエリアになります。

グレードは5.8くらいから5.11d/12aまであります。メインウォールに比べるとルートが短くなりますが、その分それぞれのルートに核心があり気合を入れて登る必要があります。

ミセスロビンソンは是非ともトライしていただきたいルートの一つです。

メインウォールで壁の大きさにびっくりしてしまった方にはカッチンロックの方が親近感があってよいかもしれません。

円形劇場

鷲頭山の円形劇場エリアの全景

円形劇場はメインウォールから徒歩20分以上かかる離れた場所にあります。アプローチは下の記事で説明しています。

静岡県 鷲頭山円形劇場エリア【ルートクライミング】

アプローチのわからない鷲頭山円形エリアの紹介

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正直初見で見つけるのはかなり難しいと思いますので、リンク先をよく確認していただくことをお勧めします。

リンク先にはgoogleMAPで岩場の位置が分かるようになっていますので比較的見つけやすくなっていると思います。

円形劇場は、スタート直後から強い傾斜で迫力満点で、5.12aから5.13aの高グレードの課題が集まっています。

円形劇場の岩質はメインエリアとは大きく異なり、堆積した岩石が押し固められたような岩質でとてもガビガビするので指皮がすぐに痛くなると思います。

ルートの上部はメインエリアのような岩質ですが、いつ落石が発生してもおかしくない雰囲気が漂っていますので、休憩する際は頭上をよく見てから場所を選びましょう。

岩は山の鞍部に位置する場所にあるせいで、雨が降ると染み出しが止まらなくなるので、安定した気候が続いたときに行くのが良いと思います。

私はこのエリアでは1本しか落としていないので、今後通って登れるようになりたいと思っています。

鷲頭山の駐車場

以前はスルガ銀行の駐車場を使っていたようですが、閉行?してしまったので、現在は中将姫自然公園を利用することが推奨されています。

岩場は海側の道からよく見えますが、駐車場は山を挟んで反対側になりますのでご注意ください。

鷲頭山 駐車場から岩場へのアプローチ

地図上は分岐が2回ありますが、行き側(青丸)から見ると、分岐2の後に3つ目の分岐が出てくるので、始めていく方は地図ロイドなどの地図アプリを入れておくと安心だと思います。

鷲頭山の駐車場からクライミングエリアまでのアプローチ図

中将姫自然公園

鷲頭山の岩場

分岐1

行き側から見ると分岐を右手に進みます。

鷲頭山クライミングアプローチの分岐点その1

分岐2

急登を超えると尾根道に上がります。

行側から見ると分岐を左手に進みます。その後分岐3を右手に曲がります。

分岐3はちょっとわかりにくいですが、右側を注意してみると不明瞭な尾根を降りる方向に踏み跡があり、一応テープもあります。

歩いていくと岩場の終了点付近に出ます。そんな人はいないと思いますが、走って下ると、止まれず落ちるかも。。。

鷲頭山クライミングアプローチの分岐点その2

鷲頭山の装備

ロープは50mで十分足りると思います。最も長いルートがETハングだと思いますが全く問題ありません。
クイックドロー(ヌンチャク)は1ルートで10本使う事はありません。パーティーで20本くらいあれば、同時に3ルートくらいトライできるのではないかと思います。

カム類は1セットあれば良いと思います。#6は使うタイミングないと思います。ハンドサイズ前後は2つくらい欲しいかも。

当然シューズ&チョーク&ハーネスは忘れずに。

ダニがいるので、刺されないためにも虫よけは忘れずに。暑い時期は上裸になることもあると思いますので追い虫よけできるようにしておきましょう。

クマがいるかどうかわかりませんが、鈴をお持ちならばつけておく方が良いでしょう。アプローチ中にガサガサ音がしたことがありますが鹿だったと思っています。(足跡やフンが落ちていたので)

鷲頭山のおすすめのシーズン

秋以降の湿度が下がってきてからがシーズン始めで、シーズン終わりは梅雨前くらいではないかと思います。

垂壁、スラブが多いエリアなので滑りやすい時期は避けた方が良いともいます。また、自然に帰りつつあるルートは苔が多いので、湿気っているとよりぬめります。

いくつかルートを登りましたので動画を紹介しておきます。

最近はロープソロで登ることが多いので、ロープの手繰り方など参考になれば幸いです。

ワイルドビターはトライする人が少ないようですが、なかなか面白いルートです。

スタート位置がわからずかなり迷いましたが、結局直登するのがよさそうでした。

上部で右側のクラックを使うとだいぶ優しく感じますが、あえて使わないようにするとシビアなクライミングを楽しむことができます。

Dryは2ピン目手前のガバ取りと上部が核心になります。

ワイルドビターに比べると登る人が居るのか比較的ルートはきれいでした。最終ピン付近でホールドが無くなりスラブ特有の緊張感があります。

マンボウはメインウォールの人気ルートらしく岩の状態が良く登りやすかったです。

ミセスロビンソンは、上部のスラブパートが核心でした。トポによっては5.10dが付けられていることもありますが、私の持っている100岩では11aになっていましたのでそれを信じています。

鷲頭山について

鷲頭山周辺は石の切り出しが盛んな地域だったようです。中世から伊豆石(wiki)という名前で流通していたようです。

鷲頭山のクライミングエリアも一部切り出しの跡が残っており、ドリルで穴を開けた後も見ることができます。

岩場から少し離れたところには、岩をくりぬいて部屋のようになっている場所もありました。

鷲頭山にいった際にはエリア周辺を散策してみてはいかがでしょうか?

鷲頭山の動画

pong3 5.10c

ワイズ 5.10c

ワイズBar 5.9

ETハングダイレクト

マンボウダンス5.10b/c

ダイハード 5.11d/12a

鷲頭山のトポ

100岩場 伊豆甲信